測位を足掛かりとして新規事業、研究開発アイディア捻出のための情報収集目的でワイヤレステクノロジーパークに参加してきました。

①NICT ワイヤレスネットワーク研究所
鹿島にある研究所によるブースで、9種類前後研究展示の題材がありました。
手元資料は作成していなかったですが、丁度久保岡先生が軌道決定について展示していたので、話を聞くことができました。
展示内容は光学観測による低軌道・静止衛星の軌道決定でした。

また大坪先生と軌道決定ツールのconcertについても少し話を聞くことができました。
GPSによる軌道決定の他、SLR、VLBI観測にも対応し、反射鏡を持つ衛星で実際に利用されたそうです。
具体名としてあじさいを教えていただけました。

その他として小型無人機によるワイヤレス中継、WINDS衛星による世界最高速3.2Gbps広帯域伝送などの展示がありました。

②測位・位置情報の最新技術
準天頂によるサービスの紹介・及び各種企業と大学による屋内測位のアプローチの展示でした。
屋内測位は今は色々な企業が色々な事をやっているといった状況のようです。今後統一されていくのだと思いますが、アプローチとしては基本的にはどこも相対測位で、屋内に基準点を設置して、相対的な位置で測位をするようです。その中に各団体のオリジナリティがあるようで、残留磁気による推定や、基準点に国土地理院の認証をもらう事で高信頼性をアピールしたり、スマフォの手の動きによるブレを補正して高精度測位を目指したり、と色々なアプローチがあるようです。

③コスモリサーチ
信号処理、無線機器の開発を自社完結しており、共同研究、開発を随時募集しているそうです。
さらに納入実績がNICT、JAXA、国立天文台、NHK放送技研という面々だったので、軌道決定やGPS信号の補正についての話を伺いました。
VLBIの観測機器のハード開発をした経験があり、はやぶさ2の位置決定に使われたそうです。
手法としては大型パラポラを使った地球の二観測点からの三角測量だそうです。
その際の大気圏、電離圏、マルチパス他の遅延については昔はハードでやっていたけど、現時点ではソフト処理をしているとの事です。

(記 大熊)

測位航法学会全国大会 参加報告

ロボット研究会は現在、測位航法学会主催のGPS・QZSSロボットカーコンテスト参加に向けた活動をしており、当該コンテストに関する講演も行われることからその情報収集のために測位航法学会全国大会に出席した。

学会発表中、当該コンテスト関連は2件であった。それぞれの概要は以下の通り。

1)GPS・QZSSロボットカーコンテスト2014の総括と2015について・・講演者:入江博樹

コンテスト全体の概要説明と、2015年度大会の紹介。「GPSと向き合う」ことを目的とした、主センサーをGPS受信機としたロボットカーによる競技。屋外でのロボットコンテストとしては、つくばチャレンジに先駆けて開始。当初は学生限定だったが、現在は一般参加可能に枠を広げ実施日も土曜の午後と参加しやすい設定とした。参加の敷居も低い。車体は市販のラジコン機(もちろん無線操縦は厳禁)で良く、制御プログラムも極論すれば、GPSから現在地の情報取得後、目的地まで走行することさえできれば良い。GPS受信機から出力されNMEA(えぬめあ)というテキスト形式データから緯度・経度を切り出せれば良い。

2)GPSロボットカーコンテストの参加における課題とみちびき利用の効果・・講演者:吉田将司

新規参入者の競技完走率が低いことから、参加初心者がぶつかる主な壁は何かの分析。車体の製造及び制御プログラムについては2年もあれば技術習得可能。難所はGPSから受信した測位情報を用いて、目的地に到達したか否かを判定する部分。これについては、そもそも大会前の試験走行時に、目的地として利用可能な精密測位されたポイントが無いという問題があるが(そのため試験走行時に判定処理の正当性を評価できない)、GPS以外に準天頂衛星(みちびき)の情報を使用することで判定処理の精度を上げることができることを確認できたため、みちびき対応受信機により精度向上を期待できる。

所感:昨年のコンテスト見学時、学生参加がほとんどだったことから、どちらかというと学生向けイベント(一般参加は好まれない?)かと考えていたが、主催者側としては一般参加歓迎ということがわかった。また、学生は(少なくとも上記2の講演者所属の高等専門学校では)測位情報を用いた判定処理を考えるより車体製造の方に興味があるとのこと。上記から当社の参加は(一般参加かつソフトウェア重視という点で)、主催者側からは、注目されるであろうと感じた。
※大会参加受付後、各チームへの取材があるらしいです。

(記 徳田)

日欧宇宙フォーラム参加報告

本年5月にGNSS.asiaと題した測位航法分野における日欧連携に関するセミナーに参加しましたが、同じ主催で宇宙活動における欧州との協力に関するフォーラムが2014年10月8日に駐日欧州連合(EU)代表部で開催され、今回も参加してきましたので報告致します。

1.日欧の宇宙戦略方針
 まず日本の宇宙戦略について、内閣府からの講話があり、中国の台頭や新興国による積極的な参入など、軍事目的・平和利用の両方において宇宙を取り巻く環境が変化しつつある昨今、日本政府も積極的な宇宙利用に舵を切る方向で戦略の見直しが始まったとのことでした。9月に安倍首相が指示した新たな宇宙基本計画では、安全保障上における宇宙戦略を反映し、また1次請け以下の宇宙関連企業で事業撤退や人員削減が続く宇宙産業の基盤回復・強化の為、これまで年度毎であった計画を10年の長期整備計画とするよう指示が出されたということです。
欧州の状況としては、Galileoという全地球航法衛星システム(アメリカのGPSと同様のシステム)が立ち上がろうとしている中で、EGNOSというSBAS(静止衛星補強型衛星航法システム)のシステムで様々なアプリケーションやサービスを提供していくことを一つの大きな取組としており、宇宙安全保障におけるフレームワークの構築と共に進めて行く考えを示されました。

2.日欧の研究と産業協力
JAXAの田口氏より未来航空輸送における高速基盤技術として、極超音速ターボジェットエンジンによりマッハ5で巡航し、東京-ロサンゼルス間を2時間で運行する極超音速旅客機(Hypersonic Transportation Aircraft)の紹介があり、サブオービタルへの利用も含めて研究を行っているとのことでした。
またESAとJAXAが共同計画している水星探査ミッションである「BepiColombo(ベピコロンボ)」が紹介され、米国のマリナー10号以来の水星探査を目指し、水星表面探査機:MPO(Mercury Planetary Orbiter)[3軸制御、低高度極軌道]をESAで、水星磁気圏探査機:MMO(Mercury Magnetospheric Orbiter)[スピン制御、楕円極軌道]をJAXAで担当し、準備を進めているとのことでした。

3.地球観測
EUではコペルニクスという地球観測計画があり、その中の衛星計画であるSentinelにおいて、Sentinel-1(SAR)、Sentinel-2/3(OPS)からSentinel-5Pまで、地表、海洋や大気監視に関する6つの衛星打ち上げの予定が示されていました。
JAXAではSentinel Asiaという地球観測衛星などにより取得した情報を基にアジア地域における防災支援を行っているとのことでした。先日の御嶽山の噴火前後の地形変化をALOS2による画像を基に示され、またベトナムやカンボジアでの洪水予測や干ばつ予測、全地球域でのCO2変動などを紹介されました。EUではこの分野のサービスとしてコペルニクス/マイ・オーシャンというプログラムを開始しようとしていますが、JAXAでは「GCOM-C」「EarthCARE」と2機残っている地球観測衛星打ち上げ後は、運用により注力していきたいということでした。
エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社からはGO3Sという欧州・アフリカ地域上空の静止衛星からのリアルタイムビデオのデモが流されました。1日当り14時間分の動画像を分解能3m、100km×100kmの大きさで撮像でき、計画のアップリンクから5分以内で対象の関心地域への姿勢変更が可能ということで、自国周辺の防衛手段として静止衛星によるリアルタイム観測の有効性を感じることができました。

4.欧州における次期資金提供の機会
EUでは「ホライズン2020」という計画の中で、2014-2020期間において総額800億ユーロという大規模な研究イノベーションの為の資金助成プログラムが立ち上がったそうです。「優れた科学(Excellent Science)」「産業リーダーシップ(Industrial Leadership)」「社会的課題(Societal Challenges)」という3本の柱からなり、プロジェクトの成果についてはほぼ完全なオープンアクセスになるとのことでした。日本の研究者や企業も参画が可能だそうですが、各自の資金については持参する必要があるとのことで、欧州との共同研究が進んでいる分野など以外ではまずは様子見になるのではないかと思います。

5.衛星航法アプリケーションとサービスにおける日欧産業協力
先にも紹介したEGNOSについては欧州でしか利用できないようですが、Galileoについては全地球域を対象としており、日本とも協力してサービスを進めて行きたいとのことでした。例えば、交通事故の場所特定や、農機や船舶の誘導、災害監視など、日欧で発生する同じような状況で提供するサービスとして協力していけると考えているそうです。Galileoについては多言語でのサービス・情報提供を開始しており、日本のみならず東南アジアやオーストラリアまでアジア全域での利用を推進しているとのことでした。
またSPAC(一般財団法人衛星測位利用推進センター)から準天頂衛星とGalileoとの協力体制について説明があり、今後GPS/GLONASSだけでなくCOMPASS(中国)やIRNSS(インド)など様々な測位衛星が打ち上がる為、2020年までにアジア地域は測位衛星により非常に高密度な状態でカバーされ、様々な実証実験や新しいサービスが提供される地域になっていくとのことでした。
興味深かったのが、2020年にオリンピックを控える日本におけるサービスについての考え方です。地図や観光案内などの高精度化や多言語化は勿論、パラリンピックに対応するアプリケーションは、今後世界一の高齢化社会を迎える日本社会に還元できるだろう、ということでした。車椅子や自転車の幅はおよそ60cmなので、測位精度として30cm(1foot=1尺)を基本単位として考えることで、ユーザ視点と精度とのミッシングリンクを発見できるだろうとのことでした。

6.日欧宇宙輸送と衛星産業協力の未来
アリアン5ロケットを持つ、アリアンスペース社は三菱重工、ボーイングと、各社のロケットのバックアップサービスを行うパートナーシップ協定を結んでいるそうです。その上で、日本の報道ではアリアンロケットをH-IIAの「ライバル」と表現されている現状と、先日安倍首相がスペースX社のイーロン・マスクCEOと握手している写真を挙げて笑いを取っていましたが、半分冗談ではないのだろうと思いました。
タレスジャパンはフランスの大手電機企業であるタレス・グループに属し、航空宇宙、防衛、セキュリティのサービスを提供している会社だそうです。Galileo衛星のナビゲーションシステムを手掛けているようで、またイリジウムの置き換え版であるイリジウムネクストという衛星携帯電話サービスの衛星開発を、主契約者として担当しているとのことでした。
MELCOさんからは、日欧協力ということで3つの提案がありました。1つは地球観測におけるサービスで、ALOS2のLバンド合成開口レーダは樹木等の表面だけでなく地表面の状況まで感知することが可能であり、欧州のSAR衛星であるTERA-SARのXバンドレーダによる樹木表面の画像と合わせて、相互補間するような画像提供サービスが可能なのではないかというものです。2つ目はQZSSの運用に関し、GalileoとEGNOSのサービスで進んでいるEUから日本は色々と学ぶことができるであろうこと、3つ目は部品の共通開発・共同調達をしてはどうか、という提案でした。
他のセッションと違い、本セッションに登場したのはいずれも営利企業ということもあり、3社共あまり具体的な話ではなく、あくまでもフォーラム向けの日欧協力の体裁を整えただけ、という気がしました。我々も欧米への展開を期待してこういった場に参加し、情報収集している訳ですが、日欧共同というと聞こえはいいものの、相手もビジネスとしての連携を期待しているのだ、ということを念頭に置いておきたいと思いました。

7.スペースセキュリティ
本セッションは、テーマにダイレクトに関わる欧州対外行動庁(EEAS)と防衛省、外務省からの講話ということで、あまり積極的な提言などはありませんでした。その中でトピックスを挙げるとすれば、防衛省による積極的な宇宙利用の開始です。防衛省はこれまで「宇宙の平和的利用」という言葉の解釈の問題により、50年以上の間宇宙を利用することができなかったそうです。しかし中国による衛星破壊実験等、各国によりなし崩し的に宇宙の平和利用が侵害されている現状を鑑み、これを限定的にしかし積極的に宇宙利用を行う方針に変換し推し進めているとのことでした。衛星画像の入手は勿論、自ら3機の衛星を保有することが明示され、測位衛星や弾道ミサイル防衛、宇宙状況監視についても言及されていました。平和利用か軍事利用かのグレーゾーンに対して、欧米や他国では恐らく明確になって久しい宇宙(平和)利用に対する態度に、ようやく日本も追随することを決めたのかな、という感じがしました。難しい問題だということはあるのでしょうが、こうした決断や法整備の遅滞する理由が、日本人の真面目さに起因するのか、政治の怠慢によるものなのか(恐らく後者だと思いますが)、欧州の方も興味深く聞かれたのではないでしょうか。

(報告:諸島)

2014年9月11日(木)に神奈川県横浜市で開催された「女性が拓く宇宙航空の夢と未来」シンポジウムに参加いたしましたのでご報告いたします。
今回のシンポジウムは、昨年(2013年10月)に設立されたJAXA男女共同参画推進室が企画されたシンポジウムでした。
三菱みなとみらい技術館1階のホールを使い、男女を問わず産官学の宇宙や光学に関連した人々がおよそ100名ほど集まりました。

内容としましては、宇宙航空分野における女性の現状、課題点、これからの男女共同参画社会に向けて行っていく取り組みなどを、内閣府関係者、主催者であるJAXAの関係者、大学関係者、また企業代表の方々がそれぞれの立場で発表をされていました。

皆様、共通であげられている問題点として、
女性が働きやすい社会を作るためには、
・女性の教育を進めることよりも、社会インフラの整備が必要
・女性が務める会社だけでなく、配偶者の側の勤務先にも制度が整っていることが必要
と、いう点でした。
また、現在の日本において、女性の高等教育進学率は高いものの、卒業後の就業率が低いことも問題とされていました。
これについては、制度を充実させるだけでなく、女性自身の認識も変える必要があるのではないかと感じました。

シンポジウムの最後には、男性代表としてJAXAの川口淳一郎さんからのお話もいただきました。
男女共同参画というと、女性ばかりに目が向きがちですが、男性の中にもなかなか陽の目を見ることができない方、不当な扱いをされている方がいらっしゃるということ、こういう方々も同時に気にかけていただけるようなシステムであってほしいということでした。
また、制度がなければ推進はされませんが、制度に頼り切るのではなく、自発的に行動を起こしていくことでリーダーシップを発揮してほしいということでした。

今後、JAXAをはじめ日本でも宇宙に関連した女性の支援・育成を目指して日本版WIA(Women In America:アメリカから始まった宇宙航空分野における女性の活躍推進を目的とした団体)を作り、日本における男女共同参画をはかっていきたいということでした。

以上です。

報告:飯野 佳代子

2014年度社員旅行レポート

8月22,23日に社員旅行へ行ってきました。
2年半ぶり2回目!今回の目的地は、長野は野辺山の国立天文台です。

23日は年に1回の特別公開ということで通常の見学コースに加えて、
45メートル電波望遠鏡や電波へリオグラフの各観測室などを見学できるとのこと。
前日から泊りがけて朝一で乗り込もうという算段です。

というわけで旅行1日目から早起きして
朝8時に自社前に集合し、バスへ乗り込み出発!

1日目の予定は、

1.昼食にお蕎麦を食べ
2.その足で臼田宇宙空間観測所(日本最大のパラボラアンテナ!)を見学し
3.牧場で自然に癒され、ホテル着。

というあらすじだったのですが、なんと高速が完全に通行止めという展開に。
やはり夏休みシーズンは手ごわいです。

急遽予定を変更しコンビニで昼食を確保しつつ(涙)、
2日目に予定していた「明野のひまわり畑」へ面舵を切ります。

自然に囲まれ空気も美味しい!
午前中の無念も吹き飛びました。

とはいえ臼田宇宙観測所はあきらめきれないので
翌日行こうということになり、士気を高めつつホテル着。
温泉と宴会を思う存分堪能し、国立天文台の見学に備え
少し早めの就寝・・・
(エ○ァを見ながらの2次会というのも弊社らしいです。)

2日目、朝食を終えホテル前で記念撮影後すぐさま国立天文台へ。
早く出発したつもりが既にすごい行列。
特別公開だけあって注目度の高さが伺えます。

会場間もなく目当ての45メートル電波望遠鏡に向かったのですが、
そのアンテナは、大きさのせいか近づくまで距離感がよくわからない程。圧巻です。
アンテナの足元には円状のレールが敷かれていて、
方位角を調整するとき遊園地のコーヒーカップみたいに回転するらしいです。
ちなみにアンテナは触らせて貰えました。ご利益ありそうです。

観測室は最新PCから年季を感じさせるラック機材まで
ごった返しており、少年心をくすぐられます。
ブラックホールの成り立ちや宇宙空間内に存在する分子の観測等を行っているそうです。

他にはアンテナを動かす線路なども展示してあり
見応えあるイベントでした。

昼食はイタリアンのお店にしたのですが、木造らしき作りで
店の奥にはミニカーショップがありました。
レトロな店の雰囲気にマッチしたミニカー達でついつい眺めてしまいます。

午後は臼田宇宙空間観測所を見学してから
ワイナリーの見学を、という予定です。

臼田宇宙空間観測所は、小惑星探査機「のぞみ」や「はやぶさ」と通信を行い運用を
支えてきた場所で、冒頭にもこっそり書きましたが
ここには直径64メートル、日本最大のパラボラアンテナがあります。
朝見たアンテナよりさらに大きいです。

その巨大さに半ば茫然と見学していると、なんと・・・アンテナが動いた!
方位角、仰角を調整する瞬間に立ち会ってしまったようです。
これほど巨大な建造物が動くというのは滅多に見られないものだと思います。
ご利益ありました。

感動に打ち震えながらもワイナリーへ向かい
ワインの製造方法などの講演を聴き、魅惑の試飲&購入タイムに。
思い思いの酒を手に、いよいよ帰路です。

ほろ酔い状態の皆を乗せ、バスは自社前に到着し解散。
とても充実した旅行でした。

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【レポート:山上】

2014年8月9日、真夏のヒューストン郊外リーグシティ。

そこに、ヨーロッパ、アジア、アメリカ国内から学生が集まり、
「インスピレーションマーズミッション(*)デザイン国際学生コンペ」の最終選考プレゼンが開催されました。
全38チームのコンペ参加チームから最終選考に残ったのは10チーム。
その中に日米合同チームの「Team Kanau(協)」がありました。

*インスピレーション マーズ ミッション (Inspiration Mars Mission)
世界で初めて自費で宇宙飛行をしたデニス・チトー氏が創設したインスピレーションマーズ財団の提案する有人火星ミッション。

コンペの内容は、
2018年に男女1人ずつを宇宙船にのせて地球から火星へ向かい、
なるべく安くシンプルにそして安全に火星の周りを回って地球に帰還させるというミッションのアイデアコンテスト。
採点項目は軌道決定から乗組員の精神ケアまで、他分野に渡る広い知識と考察が要求されます。

そしてなんと、日米合同チーム「Team Kanau(協)」が見事★★優勝★★し、
賞金1万ドルと優勝トロフィーを手に入れました!!

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話はさかのぼること約10か月前。

本コンペの存在を知った慶応大学院生(元SSD社員)が、コンペに参加しようとメンバーを集めていた時、
元同僚のSSD社員に声を掛けました。
コンペの主体は学生ですが、学生以外も参加可能ということでコンペに参加することになりました。
ECLSS(生命維持システム)においては、国内の見識人と交流があり、
社内でもシミュレータの開発をしていることから、主にECLSS設計を担当することに。

さらにチームの輪は広がり、日本国内のみならず、
アメリカのパデュー大学の学生も協力して

  日米合同チーム「Team Kanau(協)」

が結成されました。

国内でも複数大学の学生や社会人が集まり、
さらには海外とも連携しながらミッションを組み立てていくのはなかなか至難の業でした。
メールだとうまく伝わらないことも多々。
スカイプするのも時差や個々の都合を考慮すると難しい。
それでもなんとか3月にレポートをまとめて提出し、最終候補10チームに選ばれました。

最終候補に選ばれたのは嬉しいものの、そこからまた最終選考プレゼンに向けてが大変(汗。
結局、プレゼンの形を整え始めたのは日本メンバーが現地入りした発表2日前から。

  「はじめまして」から始めたチーム会議。

夜中&直前まで修正と練習を繰り返し、いざ発表へ!!

発表順は最後。
類似の発表内容を何時間も聞いて疲れた雰囲気の会場でしたが、
発表が始まってからは審査員、聴衆の心は掴んだ!と実感。

その後のディナー交流会の最後でいよいよ結果発表です。
5位から順に呼ばれていくが、「Team Kanau」の名は呼ばれない。
2位のチームが呼ばれたとき、正直そこで優勝を確信しました。
それでも優勝チームが呼ばれたときはチーム全員が飛び上がって喜びました!!

学生コンペと言えど、かなりハイレベルな戦いだったと思います。
コンペ終了後には他チームとも交流し、これだけ多くの世界中の若者が、
情熱と夢を持って今後の宇宙開発を担っていくのだと感じることができました。

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最後に、今回のコンペに際し、
貴重な意見やアドバイスをくださった
多くの方々に深く感謝申し上げます。
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火星協会ウェブ上の優勝記事


Team Kanauのウェブページ(英語)

Team Kanauのウェブページ(日本語)

(報告) 森山

宇宙博と千葉ビール園

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有人ロケット研究会と共催で宇宙博見学イベントと千葉ビール園での懇親会が2014年7月26日に開催されましたので報告します。

■宇宙博

入場して古典的SF、NASAの宇宙開発歴、日本の展示(JAXA)の流れで展示されていた。

過去に開催された宇宙博('79)を知らない自分としては、NASA宇宙開発時に使用されたものを初めて見る機会となり、レプリカであったとしても興味をもって見ることが出来た。

また、JAXA展示には「きぼう」実物大モデルがあり、いつも会社の全体会議でJEM運用業務従事者から聞いている各種ラックを見ることが出来、イメージを合わせるために見られた意味があったと思う。
他、「いぶき」、「はやぶさ」などの日本の人口衛星の実物大モデルも多数展示されており、ソフト屋としては衛星の大きさや細かな造り(材質なども)を見られたことも勉強となった。

ただ、全体として入場者数の少なさが気になり、淡々と並べられている展示が煮え切らないと感じられた。
真面目な展示物以外に、来場者が参加し操作ができるようなギミックがあれば、来場者が増えるのではないかと思われる。

こちら/の方が魅力的に感じられてしまうのが残念でなりません。

■千葉ビール園

宇宙博見学後、千葉ビール園で懇親会が行われた。
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そこで、サッポロビールの工場脇の船橋港に停泊していた「しらせ」について気になりましたの調べました。

やはり先代の「しらせ」のようです。
現在は、ウェザーニューズ社が所有、同社の「SHIRASE」プロジェクトにより気象観測や小型衛星からの情報受信が行えるように改修され、船名も「しらせ」⇒「SHIRASE」に変更されているようです。

昨年(2013年)までは船内の見学が出来たようですが、残念ながら現在は、休止中だそうです。

[報告:桑原 弘志]

 2014年7月9日に開催されたJSS(一般社団法人宇宙システム開発利用推進機構)平成25年度報告会に参加した。
 当機構は旧USEF(財団法人無人宇宙実験システム研究開発機構)、旧JAROS(財団法人資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構)、旧ERSDAC(財団法人資源・環境観測解析センター)が合併し誕生した機構である。
報告会には200人程度参加していた。
報告会の内容は以下のとおり。
 ・技術開発本部の活動概要
 ・利用技術本部の活動概要
 ・次世代宇宙システムとそのコンステレーションの調査研究
 ・海外人材育成を含めた衛星データ拡大事業活動報告
 ・HISUIセンサ開発概要
 ・衛星画像データの非在来型・ガス資源への利用
 ・太陽光発電無線送受電技術開発の概要
   
所感:
 前進の団体の関係上、鉱床探査とそれに有効と言われているハイパースペクトルセンサ(*1)に関する報告が多かった。
 報告の中で最も興味を引かれたのは超小型衛星に関する報告(次世代宇宙システムと・・・)で、特にSkybox Imagein社(Googleに買収された)のSky Satによる画像であった。
Sky Sat衛星は100kg程度の小型衛星で、分解能が1m以下と報告されている。また、市場の反応を見ながらではあるが、24機まで拡充することを予定している。Sky Sat1号機、2号機は既に打ち上げ、運用されており、画像を見せられた。

 衛星の大きさと比較して驚異的な画像である。
 静止画像だけでなく、動画も撮像可能で、これに至ってはどのように撮像しているのか検討がつかない。(これだけ高分解能で撮像していると光量が足りなくなるように思われるのだか。)

 他にも小型衛星を手がけているメーカが多数報告されていたが、コンステレーションで運用することを前提としていると感じられた。ただ、コンステレーションは単機でも簡単ではない運用を複数機連動させながら運用するため、それを実現するのは相当難しいとも思われた。
 一方、複数の小型衛星を用いて安く、早くミッション遂行/画像提供は世の流れとも考えられるのでコンステレーションでの運用に取り組む必要があると強く感じた。
   
*1:光の波長を小分けにして観測するセンサ。一般的な衛星ののマルチ(カラー)画像はRGB(光の三原色)の3バンドが多い。
 ハイパーは185バンド(HISUI)等、波長の分解能をマルチとは比較にならないほど向上させている。

[報告:坂口 大介]

2014生態工学会年次大会参加報告

2014年6月27日~28日に沼津で開催された2014生態工学会年次大会に参加しましたのでご報告します。

・ビームダウン式太陽集光装置を用いたソーラー水素生成反応における反応場増大に関する研究
宮崎大学の金子先生の発表です。

金属酸化物と集光太陽熱による二段階水分解反応では高効率のソーラー水素生産が期待できるのですが、試料表面からの酸素放出が二段階水分解反応全体の律速となります。
そこで、試料表面に微細加工を施し、高温環境下における経時変化の評価と二段階水分解反応特性評価を目指しているという事でした。

高温環境を作り出すビームダウン式太陽集光装置は中々大掛かりなものでして、88基のヘリオスタットと呼ばれるミラーと高さ16mのタワーで構成されています。

ヘリオスタットで太陽光をタワー上部に設置された楕円鏡の第1焦点に集光、反射し、楕円鏡の第2焦点で再度集光します。第2焦点を通過した光はMSCと呼ばれる装置内で濃縮され、MSC出口では高温の熱エネルギーを発生するという仕掛けです。

ビームダウン式太陽集光装置は、まだテスト段階という事でしたが、反応基板に置かれた金属を短時間でどろどろに溶かしてしまうのは衝撃でした。

大浦は宮崎大学のOBでして、M2の夏にこのビームダウン式太陽集光装置ができ、指導教官も少しこのプロジェクトに携わっていて、少し気になっていたプロジェクトでしたので紹介しました。
太陽光発電は、既に家庭にも普及して久しいですが、太陽の熱エネルギー利用は未だ開拓の余地がありそうで面白そうです。
ちなみにこのプロジェクトは望遠鏡等で有名な三鷹光器が関わっています。

・生命維持技術に関するISSを用いた技術実証
JAXAの桜井先生の発表です。

現在、JAXAで開発中の水分解装置等の生命維持技術プロジェクト経過報告でした。

現在のISSの生命維持技術はアメリカやロシアによるもので、今後、日本が有人宇宙活動を目指すためにも、生命維持の要素技術を確立したいとの事でした。

・不要ガス除去装置仮想実証試験
JAXAの大西先生の発表です。

有人宇宙活動で必要不可欠な装置の一つである不要ガス(CO2、水蒸気)除去装置の実証試験の前段階として数値解析プログラムを用いた仮想実証試験報告でした。

この不要ガス除去装置は活性炭を使用しており、活性炭の寿命は考慮しているのかという質問が出ましたが、今回のシミュレーションでは活性炭の効果が薄れるところまでは走らせていないので、考慮不要との事でしたが今後の課題ではあるとの事です。

最後に我々のポスターセッションですが、残念ながら反響が少なったです。
他の発表者に比べて、内容そのものに新しさ・凄さ・利点、又は表現の工夫が弱かったからではないかと思っております。

今回のポスターについて反省し、第58回宇宙科学技術連合講演会に向けてECLSS研究会活動を頑張って行くつもりです。

(報告:大浦 智史)